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ジェイムズ・ヘリオット「動物物語」集英社文庫 大熊榮訳
 十編の心温まる物語、そして実の息子ジム・ワイトのまえがき、レズリー・ホームズの口絵水彩イラスト、訳者あとがき、長谷川眞理子の解説、そしてヘリオットの全著作リストとあまりにも豪華な構成に驚く。
 これで翻訳刊行されたものは全て読んだことになる筈だが、ヴァンテーヌ誌に連載された野口みどり訳がまだのようだ。全集を希望したいのだが、訳書の版元が複数あるので纏めるのは困難かと思う。だから、各社の担当で打ち合わせて、同じサイズ、同じ装丁家、ついでに色も揃えて、「ばらばらの版元ながらも並べてみると全集の体裁になっている状態、背の下の出版社名だけが違う」なんてのをやってほしいね。それならハードカバーでも買うだろう。

丸谷才一「男もの女もの」文春文庫
 ゴシップから始まる真面目なようで眉に唾したくなる飄々とした文章の中に隠されている、もしかしたらその通りなのではないかと思わせる大胆な仮説を読むうちに知らず知らず引き込まれてゆく。

高島俊男「水滸伝の世界」ちくま文庫
 丸谷才一・・小林信彦・目黒考二と当代一流の読み巧者が高く評価しており、しかし共通して案内が面白過ぎるので水滸伝そのものに肩を透かされた旨の愚痴があり、いつか読もうと思っていたから見つけて迷わず買った。
 水滸伝の成り立ちな背景を丁寧に解説し、数ある異版の系統を整理し、登場人物についての説明もあるから、これを読んだら「水滸伝」を読破した気になり、しかも水滸伝をだらだら読むよりもつぼを的確に捉えることが出来る気分になってしまう。
 つまり、これの後に「水滸伝」を読んでは駄目で、先に吉川でも何でもとにかく水滸伝を読んでおいてから、「水滸伝の世界」にかかるべきなのだ。しかし昔に一度読んだことがあって、内容はあまり詳しく覚えていない場合には勿体なかった。水滸伝の入門書として位置付けるべきではなく、「後書きの解説がはちきれんばかりに膨らんで独立してしまったもの」と考えれば、自ずと読み方は定まるだろう。

高木彬光「成吉思汗の秘密」角川文庫
 成吉思汗=源義経説は誰もが一度は耳にしたことがあり、それでいて具体的な肯定点否定点に接する機会があまりなく、大抵は「そのような伝説があるらしい」程度の認識が大勢であるかと思われる。
 巷説俗説の類とされながらも幾度となく盛り上がる一人二役説の疑問反証などを、会話主体の形で判りやすく解きほぐしてあるから義経伝説の格好の入門書となる。清の、清は、清が、もしかしたらと思わせる終盤の仕掛けは見事なもので、その後を追跡したくなる。
 所謂安楽椅子探偵「Armchair detectiveアームチェアディテクティブ」とは現場を踏まずに推理を展開する探偵物のことで、この変形が高木彬光の神津恭介シリーズの「Bed detective」として展開している。 「邪馬台国の秘密」「古代天皇の秘密」と毎度入院しては暇を持て余し謎に挑むわけだが、ベッドディテクティブを漢字ではどうなるか。「寝台探偵」はどうも列車の印象が強いので却下して、「寝所探偵」では方向性が違うので、「寝床探偵」あたりか。
 「成吉思汗の秘密」は現在ハルキ文庫から出ている。探偵小説に尻込みする向きでもこの三作については殺人が起こるわけではなく、歴史上の謎を検討する展開であるから誰でも違和感なく読める筈だ。内容に違和感があるならば仕方のないところだが、主人公と同様に床で暇を持て余している場合などに読むことを薦める。  なお「大予言者の秘密」は高島易についての話だから関係ないが、現在復刊ドットコムで投票が行われているようだ。

エリック・ホッファー「魂の錬金術―エリック・ホッファー全アフォリズム集」作品社 中本義彦訳
 むのたけじを知っていて好きならば違和感なく飲み込める。またホッファーを先に知っているならば是非むのたけじを読むべきである。対照的な道を歩みながら辿り着いたのは共に優しい目線で厳しく見上げる立場だ。
 アフォリズム集とある通りこれは箴言集だが、一度読んだだけでは容易に噛み砕けない鋭さを持っている。暗記してしまうほど何度も読み返すとやがて少し見えてくるものがあるように感じる。感じるだけでは駄目なのだが、何も感じないよりはましだ。
Eric Hoffer 1902-1983
むのたけじ 1915-現役 



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