「しっゃくりを止める方法なんてあるの？」

「研究したさ。いろいろと」

吃逆の止め方　03/02/28・03/01

吃逆が嫌いなのは集中力を乱されるからだ。

　何かの本を集中して読んでいる時に突然吃逆が始まるともう駄目で、そこで放り投げてしまう。そういうことが積み重なって、吃逆が出ただけで著しく精神の安定を欠くようになる。吃逆が始まるとすべての肉体的精神的作業を中止して戦わなければならない。止まらない吃逆に対する怒りを制御出来なくなる前になんとかしなければならない。吃逆の度に壊れていたら身が持たないので様々な方法を試した。

　まず、中学生の頃、母に聞いた方法としてコップに箸を十文字に渡し、それぞれの間から少しずつ四回飲めば止まると言われた。四回飲む間に吃逆が出てはいけない、箸をずらしていはいけない、箸が歯茎に刺さってもいけない。実際のところこれで止まると思い込めば体が学習するのかもしれないが、効かなかった。

　次に試した方法はコップの向こう側から飲むというものだが、勢い余って鼻の穴に流れ込む水に、プールの匂いを思い出しながら激しく咳き込んでいたら、確かに止まった。しかし毎回こんなことをするわけにもいかず当然却下される。

　その次に試した方法は、コップの水を箸など渡さず、八方向から吃逆が出ないように素早く少しずつ八回飲むというものだ。これは八方向といっても少しずつ回転させるのではなくて、まず、コップの向きを確かめて「南」「北」「西」「東」「東南」「西北」「西南」「東北」の順で一度も持ち替えずに飲む方法だ。但し手首の柔軟さが要求される。かなり長い間これで止めることが出来ていたが、何故これで止まるのか不思議に思い始めた頃から効き目がなくなってしまった。

　驚かされると止まるとも言うが、わざとらしく驚いてみたところでどうにもならないし、「驚かせてくれ」の頼むのも馬鹿馬鹿しい。ホラー映画を見れば良いという話もあってやってはみたが、吃逆が気になって集中出来ないままリモコンを握りつぶすことになる。

　御飯の塊を飲み込む。しかし都合よく御飯の塊があるとは限らない。むしろない場合に起こる吃逆を止めたいのだ。

　ひたすら息を止める。これもかなり多くの人に信じられているらしく、二人に一人はそう言う。しかしこれは息を止めている間に吃逆が出るとすべてぶち壊しになるわけで、吃逆が出ないように腹の底に力を入れて顔を真っ赤にしていれば確かに止まるようだが、脳細胞がぱたぱた倒れて死んでゆく図を想像してしまうとあまりやりたくない。

　ひたすら息を吐き続ける。関西人にしかわからないこの止め方は、はっきり言うが効かない。

　吃逆如きにここまで手間をかけるのがたまらなく悔しい。　ではどうすればよいのか。

　大学生になった頃、本気で止め方を調べてみたら、まず「吃逆」とは「横隔膜の不随意性の痙攣である」ことを知り、それを止める為には「横隔膜に何かをすればよいが、確実に止まるという方法はない」ことを学習する。

　そして一応止まるとされている方法としては横隔膜を伸ばすこと。つまり気をつけの姿勢のまま頭だけ前に下げていくと横隔膜が伸びる。つまりコップの向こう側から水を飲むのは横隔膜が伸びるから止まるのであって、水など別に飲まなくともよいが、ただ頭を下げているだけだと何をしているのか不審に思われるので仕方なく小道具として「コップに水」が登場するのである。くしゃみというのは呼吸筋が攣縮するもので、これは吃逆が止まりやすいとある。吃逆を止めるためにくしゃみをすればいいだけならば簡単ではないかと思った。

　で、実際に吃逆が始まった時、早速ティッシュを細く鋭く尖らせて鼻の穴の奥深くにねじ込む。しかしここに罠がある。こうやってくしゃみを出そうとしている時というのはかなり集中力が必要になる。そして意識を集中して無心でくしゃみを出そうとしている瞬間、必ず吃逆が出る。鼻からティッシュを垂らしたまま「俺はくしゃみがしたいねん！」

　何かを飲み込むのも場合によっては止まることもあるらしい。吃逆など出ていない時に、不意に飴玉を飲み込んでしまうと吃逆が始まることから考えて、たしかに説得力があるようにも思える。

　そして何をやっても止まらずただ憤激が募るばかりであることに業を煮やして、ついには「ツボ健康法」なる本を買うことになる。ソフトカバーの単行本を新刊で買うわけだから如何に追い詰められていたかがわかる。

　そして載っていた吃逆を止めるツボは、喉にある。

　鎖骨の内側の一番上、鎖骨のでっぱりとでっぱりの間中央のすぐ上は指先を押し込んでいくと脈がある。ツボは大抵脈と同じ場所にあるのですぐにわかる。この脈のところを押し込んでゆくとすぐに息が苦しくなる。頭を前に傾げるともう少し奥までのめり込む。この状態でゆっくり五数えて戻す。これを三回すれば止まる。

　そのようなことが書いてある。それで、試してみるとこれが素晴しく効く。止まる。今までのように「あ。ああ。止まった止まったヒッ」などという醜態を晒すことがなくなった。

　手前はこれで確実に止まる。それでも止まらない人には複合技で責めるしかあるまい。すなわち

・まず息を限界まで吐き続け
・そのまま息をずっと止めて
・鼻の穴にティッシュを差し込んでくしゃみ誘発の構えのまま
・箸を十文字に渡したコップの水を
・向こう側から飲みながら
・喉のツボを押し込みつつ
・くしゃみをした瞬間
・誰かに驚かせてもらう

　これで誰でも簡単に止まるはずだ。健闘を祈る。

吃逆の止め方・完全版　2003年10月11日

　吃逆が止まらない時は勝手に凶暴化しているわけだが、一応そのことを心得てはいるから様様な止め方を今まで研究してきた。

　少し前、寒い朝に何をどうしても止まらない吃逆に苛立っていて、どうにかならないものかと考えてみるが、ひきつける度に思考が中断されるのであって、このままだと頭をどこかに叩き付けて死にたくなるから、吃逆の止め方をメモに整理していた。

・嚥下法系
・呼吸法系
・刺激法系
・魔術法系

　吃逆の止め方は、ほぼこのよっつに分類出来る。この分類をやっと決めたところで煙草に火を点け、喫い込んだ瞬間吃逆が出て、不自然に吸入された煙が肺だか胃だかを暴れまわった末に逆流してきた。早い話が煙草を喫いながら吃逆した瞬間

「ぉえっ」

　しばらく胸のあたりがむかむかしたまま、冷たい風の中熱い涙をほろほろ流して続く「ぅえっ。ぉえぇっ。ぇっ」の波状攻撃を耐えて一息ついたら、なんと止まっているではないか。

　これは偶然だろうか。偶然とは思いたくなかった。折角吃逆の簡単で効果的な止め方を見つけたかもしれないのだ。是非もう一度試してみたい。しかしその機会は長く訪れなかった。吃逆を意図的に起こせる程の熟練者ではないから偶然の吃逆をひたすら待っていた。そして先日ついに歩きながら吃逆が出た。吃逆が出て初めて嬉しかった。前回は煙草の煙が介在していて因果関係がぼやけていた感もあったが今回は違う。純粋にえづくだけを試すことが出来る。早速指を喉に押し込んで

「ぅぉえごふっ。ぅおぅっ、ぅえぅっ、ぇげっ」

　何か関係のない物が出そうになったが、無事に止まったのだ。

　成程判った。横隔膜への刺激を強行して吃逆を止める為には、えづけばよいのだ。嚥下法系の「御飯の塊を飲み込む」「水を飲み込む」「空気を飲み込む」ではなく、呼吸法系の「深呼吸する」「走り疲れた犬のように浅く呼吸を繰り返す」「気が遠くなるまで息を止める」「気が遠くなるまで息を吐きつづける」でもなく、刺激法系の「くしゃみする」「ツボを突く」「お辞儀する」「驚かされる」でもなく、魔術法系の「茄子とか何とか言う」「背中に鍵を当てる」「その他」を全て凌駕する、刺激法系の最高奥義「えづく」が一発で簡単に止まる方法だ。

　こうすればよい。まず吃逆が止まらない。では箸でも指でもなんでもよいから喉の奥の奥、人種性別皆越えて、等しくあります口蓋垂、いわゆる通称のどちんこ、女であってものどちんこ、他の言い方特にないからのどちんこ、セクハラセクハラと騒ぐお馬鹿も喜び言いますのどちんこ、これをこいつをつんつんつくつく

　「ぉえっ」

　これで止まる。ただし注意することがひとつ。見せ掛けだけのえづきでは駄目なのだ。恥も外聞も振り捨てて涙がじんわり滲む程の勢いでえづいた時にこそ、えづきが止まり、涙も止まり、そして吃逆も止まっている。

　確かにあまり美しい方法ではない。しかし吃逆そのものが美しさとは程遠いところにあるのだから、一時の恥を忍んでから落ち着きを取り戻せばよい。

　一応この方法をもって「吃逆の止め方」を了とする。

ここから下は【ウィークリーまぐまぐは、転載, 複写, 雪焼け 大歓迎です。】 からの転載　2004年03月25日

ウィークリーまぐまぐ［総合版］ 2004/03/24 号 転載ここから

●教えて！ティーチャー先生 〜 本当に効く！しゃっくり止め（回答編）

> 僕はしゃっくりがはじまると半日くらいは止まらなくて困っています。病院
> に行ったら特に病気ではないと言われ安心はしているのですが、しゃっくりっ
> てとにかく気になるのがイヤですよね！今までいろいろなしゃっくりの止め
> 方を聞きましたが、効果がないものが多いんです。本当に効いたしゃっくり
> を止める方法を教えてください、ティーチャー先生！…ひっく。（やすだ）

（編）びっくりしてしゃっくりが止まってしまうほどたくさんの「しゃっくりの止め方」いただきました！特に投稿の多い止め方は「コップの向こう側から飲む」と「ナスって何色？紫！」がでした。ぜひぜひ試してみたいですね！

【止めるなら（ひっく）飲む！】 ○コップ一杯の水をコップの向こう側から飲む、つまり前屈みになって不自然な格好で飲むことになりますが、私は、必ず治ります。やってみてください。何でも実行あるのみ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ぽえむ）

○まず、コップに半分程度の水を入れます。通常は、コップの手前（コップを持つ親指側）から飲みますが、コップの向こう側（人差指など４本の指側）から飲んでみてください。飲みにくいのですが、努力を重ねる内に、いつの間にかしゃっくりが止まっています。　　　　　　　　　　　（マキバオー2878）

○小学生の頃、教育実習の先生に教えてもらった方法です。まず、コップに半分くらい水を入れます。コップに覆いかぶさるような姿勢になり、コップの向こう側から水を飲み干します。コップを向こう側に傾ける事になり、非常に飲みにくい姿勢になりますが、９割がた止まります。私もいろんな人に教えていますが、よく効くと感謝されます。是非お試しください。　　　　 （osugi）

【止めるなら（ひっく）言う！】 ○「豆腐は何でできている？」って質問を出してもらい、「だいず〜〜」って答えるだけ！教えると皆「そんなのウソでしょ？」って疑うけど、意外と止まるんです！（何でかはわかりませんが…）ポイントは、「ず〜〜」をできるだけ長く低めに言うこと！それから、必ず質問形式にすることです！（ひとりの時は自問自答で・笑）　　　　　　　　　　　　　　　（にがりじゃないよ）

○しゃっくりが止まらなくて困っている時、ふと妹が「ナスって紫色だっけ？」と聞いてきました。突然の質問に唖然としながら「紫でしょ？」と答えると、妹が「しゃっくりとまったでしょ？」と。実際本当に止まっていたのです。妹もこの方法でしゃっくりが止まったとか。なんでこんなので？と妹と大爆笑でした。周りにしゃっくりが止まらなくて困っている人がいたら試してみてください。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（rovi）

○誰かに「菜の花は何色？」と聞いてもらい、「黄色！」と自分が答えると止まります！実証済みなので間違いない！　　　　　　　　　　　（ちーくん）

○しゃっくりの止め方ですが昔小学生の頃だったか何かの本に書いてあった止め方です。コップ１杯の水を用意します。そして心の中で「たこがこけた」と言いながらゆっくり水を飲み干します。私はこれを何回かやりましたが毎回しっかり止まりました。しかもそのおかげか今ではしゃっくりらしいものが出なくなりました。ぜひ一度試してください。　　　　　　　　　　　（たここけ）

○しゃっくりの止め方。心を鎮めて「しゃっくりしゃっくりしゃ…」と５回繰り返し言えると止まります！！言ってる最中に出てしまうと、止まりません。おためしあれ♪　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（naonao）

○しゃっくりを止める方法！「タヌキがこけた」と唱える。他の人のを止める場合！「茄子の色は何色？」と聞いてあげる。かなりの確率で止まります！でも一度しか使えませんー。　　　　（ハルオ）

【止めるなら（ひっく）おばあちゃんの知恵袋！】 ○私は特別養護老人ホームに勤めています。ある日しゃっくりが止まらずに長時間「ヒックヒック」やっていたところ、ある老人が止める方法を教えてくれました！『茶さじ１杯の砂糖を少量のぬるま湯に溶かして飲む』んなアホなと思いましたが、騙されたと思ってやってみると、ホントに止まってしまいました！！！正しくお婆ちゃんの知恵袋、是非お試しあれ。　　　　　　 （kei）

○しゃっくりの止め方。お酢をスプーン１杯飲むと、ほとんど確実に止まります。それも、舌に流すようにして、酸っぱいのを感じながら飲むのがコツです。レモン汁でもＯＫですよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　（なおのじ）

○百発百中のしゃっくりの止め方お教え致します。まずコップ一杯の水を用意して下さい。そして合間に水を一口飲みながら、声に出して１０を数えます。つまり１と言って水を飲み、２と言って水を飲み、それを１０まで繰り返します。１０まで数え終わる頃には、しゃっくりは止まっています。これは近所のおばちゃんから聞いたしゃっくりの止め方ですが、本当によく効きますよ！ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（マチ）

【止めるなら（ひっく）吸って吐く！】 ○しゃっくりの止め方です。父から教わったのですが、自分の脈を数え、脈４つ分は息を吐き、次の脈３つ分は息を吸い、の繰り返しを３分ほど行っていると、止まるとか。息を吸ったり吐いたりの割合は適当でいいと思いますが、呼吸を整えることがポイントなんだと思います。　　　　　　　　　　　（ｍ）

○深呼吸をゆっくり３回。思いっきり息を吸い込んだところで息を止める。腹に力を入れて時計とにらめっこ。６０秒以上経ったらゆっくり息を吐き出して、深呼吸を３回。これでＯＫ。少なくとも私はこれで治らなかったことはありません。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（へっくり）

○しゃっくりですが、俺は息を思いっきり吸って止め腹筋に力をいれる感じで２、３０秒我慢します。結構とまりますよ。　　　　　　　　　　 （Ruler）

○しゃっくりは簡単に止まりますよ。ビニール袋を使って、しばらく息をすって吐いたりしてればいいだけです。当然酸欠になるでしょう？横隔膜が異常に気付き、「あれっ?落ち着かないと!」って…痙攣が止まるそうです。あまり他人には見られないようにした方がよさそうですけどね、誤解を招くから。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（りえぞん）

【止めるなら…（ひっく）ほかにもいろいろ！】 ○私の場合、しゃっくりを楽しむと止まってしまうんです。予想外な反応が（自分自身で）楽しめるので結構好きなのですが、「あーー来た来たぁ」と楽しんでいるとすぐに止まってしまう。本当はもっと出ていて欲しいのに。ちなみに「ひゃっくり」って呼んでいましたが、どちらが正解？　　　　（モジ）

○呼吸を止め、首筋の上方をマッサージします。30秒ほど続けるとしゃっくりが止まります。頸動脈洞マッサージと言います。　　　　　　　（memememe）

○ものすごく考えます。自分がしゃっくりをしていたことを忘れるぐらい。たとえば「今から三日前まで食べたものをさかのぼるとか」「好きなだった子にあんとき、ああいっておけば・・・。」とか、しゃっくりを止めようをしていることさえ忘れるほど集中して考えてください。気づいたらとまっています。 （たー）

○私がお勧めするしゃっくりの止め方は「頭のてっぺんのちょっとへこんでるところを強く強く押す」です。頭のてっぺんからちょっとだけ後ろのところに、少しくぼんでいるところがありますよね。そこを誰かにぐーーーっと押してもらうんです。ほんとにしゃっくり止まります。よくいわれてる「息を止めながら水飲む」とか「びっくりさせられる」とかがぜんぜん効かなかった強力なしゃっくりが、これで止まりました。お勧めです。

○しゃっくりは、乳首の真上で鎖骨の窪んだところを人差し指でしばらく押すと確実に止まります。間違いない！　　　　　　　　　　　　　（のりパパ）

○塩を手の平に取り舐めるとしゃっくりは、止まるとＴＶで言ってました。医学的根拠付きで。ただやってみると、手の平に取って舐めることにこだわる必要はないのではないかと思います。ゆっくり舐めて、唾液を十分に出し、それをごくりと飲み込むことが良いようです。　　　　　　　　　（北のご隠居）

○ひゃっくりはスプーンなどで舌の奥の方をぎゅ〜っと（医者がのどを診察する要領で）押さえつけると止まりますよ〜。…戻しグセがある（ウエ〜ッとなりやすい）人にはお勧めできませんが（汗）

○お風呂にはいると直ります。胸（呼吸器系）の筋肉の緊張がゆるむからだと思いますので、温しっぷやホカロンでもいいかも、試してみてください。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（おじじ）

○腹筋が効きます。腹がよじれるくらいに！　　　　　　　　　　 （takao）

【質問募集中】この広い世界中のなにもかも、ひとつ残らず教えて！ティーチャー先生。あなたのもやもやギモンやその答えを
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