- 統計とは むのたけじ「たいまつ」(No.1575)
調査目的の本音は何か 誰が誰を使ってどのような方法で調査したか 何を基準に調査地または調査対象を選んだか 調査結果は誰たちに最も見せたいか 調査結果の発表時期は何を理由に決めたか
※統計が信用出来ない根幹がここにある。ある誰かにとって都合のよい統計を表出させるなど簡単なもので、統計の細かい設定や設問など以前に、その統計を取り、発表する目的によっては如何に公正な統計であろうとも信頼適わない。
- 失敗と成功を説明する為に用いられる要因の項目 バーナード・ワイナー 達成に関連した行動まの研究
安定度 統制の象限 内在的 外在的 安定 能力 課題の困難度 不安定 努力 運 「図説 現代の心理学1」 南博監訳 星野命訳 講談社 1976年初版発行 P107 図32成功と失敗
PsychologyToday 1975 Randam House Inc.※この図はある事態に於ける成功と失敗の要因を項目化したもので、結果を検討する場合以上に、成功するかどうかを見極める為に使うことが出来れば言うことはない。ただしそれには己の能力を冷静に判断する必要があり、また困難度については、困難であるからこそ検討するわけであるから単なる言訳に使うことを避けねばならず、努力については「努力する能力があるかどうか」を知り、その上で努力することが出来るかどうかを弁える必要がある。運については、分解してゆけば困難度や能力に行き着くだろうが、全てを内包する理由として大きく使用される場合がある。
- エイブラハム・マスロー 「中層の欲求」intermediate needs.
生物学的 → 安全 → 所属と愛情 → 自尊 → 自己実現
「図説 現代の心理学1」 南博監訳 星野命訳 講談社 1976年初版発行 P111 図50マスロー
PsychologyToday 1975 Randam House Inc.※左から右へ欲求の階層が上るのだが、それぞれの境目あたりにおける行動心理についての研究が待たれる。
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獲得 財産と富を得ること 保護 物を集め、直し、掃除して保存すること 秩序 対象を整理して組織だて、処理すること 構成 組織し、組み立てること 達成 障害を乗り越え力を試し、出来るだけうまくそして早く困難事をやりこなすよう努力すること 再認 賞賛と推挙を引き起こすこと 防衛 非難や見くびりから自身を防衛すること 支配 他人を感化し、支配すること 自律 影響と強制に抵抗すること 攻撃 攻撃し、傷つけること 親和 友情と親交を形成すること 拒否 冷遇し、無視し、除外すること 養護 養い、助け、守ること 助成 助力、保護、同情を求めること 探検 踏査すること
「図説 現代の心理学1」 南博監訳 星野命訳 講談社 1976年初版発行 P145 図50マレー
PsychologyToday 1975 Randam House Inc.※このように分類した場合、それぞれの欲求を理解し易い。十五個の欲求のいずれをモチベイションとして使えば自分にとって最も強く力を発揮可能なのかを知ることが出来るならば、それは他人より一歩先を進むことが出来るかもしれない。
- 自己実現している人の特徴
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・現実の自分の立場を見定めている
・自分たち自身や他人や自分たちのいる自然界を受け入れる
・自発性が高い
・自己中心的ではなく、問題を中心に考える
・超絶してているようなようすで隠遁を必要としている
・自律的で、かつ、独立している
・人々や事物の評価が型にはまらず新鮮である
・ほとんどの人が必ずしも宗教的色彩を帯びない深遠で神秘的な経験や精神的な経験を経てきている
・自分たちは人類であると思っている
・少数の特別に愛する人たちと親密な関係は、外面だけのものではなくて、もっと深く情緒的になっていく傾向にある
・価値や態度が民主的である
・手段と目的を混同しない
・ユーモアを解する心は敵意を示すのではなくてもっと哲学的である
・創造力が豊かである
・文化への順応に抵抗する
・ただ環境を模倣するだけではなく、それを乗り越える
「図説 現代の心理学1」 南博監訳 星野命訳 講談社 1976年初版発行 P241 表2
PsychologyToday 1975 Randam House Inc.
Abraham Maslow Motivation and Personality (New York:Harper&Row 1954)に発表※これは本文中にて成功者に偏っているほかマスローの周辺だけの例であるから信頼性はさほど高くない、とされている。しかし見たところ大いに役立ちそうなものが多数あることも事実だ。「現実の自分の立場」「問題を中心に」「評価が新鮮」「手段と目的を」「敵意より哲学的」「創造力が」
「文化への順応に抵抗する」の意味が不明なのだが、己の立脚点を揺らすなということかもしれない。いずれにしても頭で理解しても実行徹底するには困難であるところは、つまりそれらを日々より成し遂げることが自己実現に繋がる可能性を意味しているのかもしれない。 - 明治期、花柳界で客に判らないよう手真似で互いの意思を伝えた符牒。
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玉川一郎「私の冗談事典」青蛙房からの孫引き
原典は梅原北明「近世社会大驚異全史」史学館書局 昭6 （昭51海燕書房から復刻）い 親指と一歳指を拡げて「い」を示す ろ 櫓を漕ぐ真似 は 口を開いて歯を示す に 肩に物を天秤にて担ぐ形 ほ 頬を示す へ 尻を示す と 戸を開ける形 ち 乳を示す り 鈴を振る形 ぬ 縫い物をする形 る 人差指と親指で丸くする を 左右の指で紙縒りを作る真似 わ 左右の人差指と親指で輪を作る か 掻く真似 よ 右手にて呼ぶように招く た 右の手で左の掌を叩く れ 両手を突いて頭を下げ礼をする そ 袖を示す つ 手の甲を指でつねる ね 手枕で寝る形 な 手を眼に当てて泣く形 ら 左右の手を握り口に当て喇叭を吹く形 む 右の手で胸を指す う 口を結んで上を向く ゐ （はいに統合？） の 喉を示す お ？ （不明） く 左右の手で物を喰う真似 や 弓を引く真似 ま 眉毛を示す け 頭の毛を示す ふ 人差指と親指を合わせ口の先でふっと吹く こ 赤子を左右の手で抱く形 え 衣類の襟を示す て 右の手を見せる あ 頭に手を載せる さ 左手の人差指と中指を立て、右手の人差指を横に通してサの形にする き サを横にする ゆ あかすりで顔を洗う真似 め 人差指で目を示す み 耳を指でつまむ し 右手でしの字を書く ゑ （えに統合？） ひ 左手を捲くり、肘を示す も 牛の角の形を両方の指で示す せ 背中を示す す 墨をする形 ん 呑み込む形
これは紛れもなく手話の原型だ。「お」が不明であるが、「を」の「紙縒り」以外は今でも十分通用するだろう。どこかの鄙びた旅館にならば残っている可能性もある。
「手話」はある程度完成された形なので、これを指話（しわ）とでも呼んでおこうか。花柳小説にこの手の描写があるかどうかは無知にして知らないのだが、一種の資料としてここに上げておく。
ついでにひとつ、「ざあます言葉」というものがある。あれは非常に耳障りなものだが、由来は花柳界からきている。明治直前までは人々の通行が今ほど楽ではないからそれぞれの藩は文化的独立を保っていた。その中には当然方言も含まれる。維新成り、さて首府東京に人々が集中した際、訛から意思の疎通の困難を生じ、慌て関東弁を標準語にすべく一悶着あったわけだが、花柳界においては、それより以前から身売りされたりして方々からやって来た花蝶達も訛の問題を解決するべく特殊な言葉遣いをしていた。「ありんす」「〜かえ」などの言葉はそれである。維新後明治元勲は当然花柳界と無縁である筈もなく、またそれらの女たちを妻に妾にし、また地方から上京した上流階級の女も訛を隠す為にざあます言葉を使った。ここに「ざあます言葉が上流階級の証」という根拠が発生したわけである。
真の上流階級と呼べる教養のある女性ならば今時これを使う筈もないが、それでも時折耳にする。これは育った環境の中にざあます言葉があったからか、単に使ってみたいだけなのか知らないが、使ってみたいだけならば馬鹿を露呈しているし、ざあます言葉で育ったならば、それは成り上がりの二代目・三代目であることを示している。生まれは確かに上流階級であることに違いないが、それを使う者はもと花柳界の多かったことを知る程度の学習は為されるべきであり、卑賤と蔑むわけではなくて、無知からくる恥を自慢していることに噴飯するだけだ。
標準語とされる言葉が一応制定されている以上、それに沿った言葉を話すことが美しいとされるわけであり、上流階級としてはそれに加えて学習院などで受け継がれている丁寧な言葉遣いをすべきである。
一方廃れてしまったらしきこの手真似の指話、こっそり復活させて同行の志だけの符号とすればまた粋となる。誰か一緒に覚えませんか？
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