・麻雀が好きな人　これは全てあなたのことですよ

・もし手元に定家の百人一首があったなら参照しつつどうぞ

明け方の仮東の時に珈琲こぼし　我が袖口を渋茶に染めつつ

白持ちて發来にけらし小三元　中捨てとるで只の役々

足切りのボーダーラインの上に居り　なかなか勝負一人カモネギ

タコの癖に打ち込んでみれば親倍て　待ちの高めに我は振りつつ

自模山に盲牌積み分け鳴く準備　右二開く時ぞ儂は悲しき

「一筒じゃ」手牌の端に置く自模の　白きを見れば夜ぞ更けにける

あらこらま振り込んでみれば槓振りで　めくれる山にいでし槓ドラ

「我が色は見ろこの捨て牌を」と一色手　彼はフリーザと人は言う也

ドラの居所は爆弾積みのいたずらに　我に来ず振る何故か自爆に

これやこの行くも行かずも当たったら死ぬも死なぬももうハコ寸前

我払う親の倍満東一局　人には告げよ「残り千点」

余り牌最後の自模でぶっ飛びじゃ　最後の姿涙の形テン

ツキがねえ手牌より豪華な卓の河　赤五を捨てて一通となる

見てるだけ忍ぶも辛い馬鹿故に　乱れ染めにし我なら鳴くに

君の為張るのちと待て若芽摘む　我が勝負手はまだ二向聴

起親の稲妻立直四千毎　索子の面子が四と五と九

ドラを振る歯止めも効かずがったがた　空き箱なのにまだ振り込むとは

鳥の絵の端にあるのをよく見れば　一索ではなく焼鳥表示

八割がた当たるだろうが暗刻持ちの　無筋ダブドラ通して「よっしゃ」

自模っても今また同じ字牌なり　七対単騎はあかんとぞ思う

今来いと言ったばかりに馬鹿ヅキで　行けない次の待ち合わせかな

見るからに憑きの糞手の萎れたら　すぐハコるのを嵐と言うのか

裏見れば平和にしてこそ悲しけれ　ドラが一つものりやがらねえ

この度はまず取り敢えず御愁傷様　もう二千すらないノーテン即飛び

何しよるおうそこ山を崩したな　皆に知られて満貫罰符

おい貴様皆の対子場心あらば　今一度だけ字牌は出すな

皆の腹空きて眺めるカップ麺　何処見とるんじゃ来いカモ野郎

やな自模だ冬だと寂しく呟いて　引きの弱さも国士と思えば

ドラ目当て「おらぁリーのみ自模ったぜ」裏捲らせる「白」てめぇ彫るぞ

ありったけの積み棒なくす親流れ　聴牌ばかり焼鳥のまま

朝も明け終わりかけの時と見るまでに　何じゃ２００て万溶けコースか

２着以下ハコを賭けてのしがらみは　流れによって引導渡す

久方の光のどけき春の日に　風流心無し今からやるぞ

誰がカモ知る人ぞ知るタコ野郎　待ちも昔と変わらすソバ聴

引くぞいざ空聴も知らず震えては　早う手退かせ「おらそれあたりじゃ」

夏の夜はまだ酔いながら醒めぬるを自模はいずこに「少牌しとるぜ」

一から九六が欲しくて三ー六萬　貫ききれぬ単なる平和

忘れてる見ろとも言わず肘隠し　積んだ後から「まだ焼鳥なん？」

ああそんな驚きのまま固まれど　あまりに衝撃見たら振聴

忍んでも顔色に出る我が聴牌　「これや思う」とピタと止められ

来い索子我が手はばれて面清の　人知れず自模親倍あがれず

染めてるな固めに索子を絞りつつ　末の待ち牌持ち持ちとはな

技見ての後の心に比べれば　昔はやはりカモられていた

あることが絶えて久しい中ドラに　一鳴き見よもう絶対流局

哀れとも言うべき人は大カモで　我の悪戯にハコるべきかな

言わずともハコる素人勝ち逃し　行方も知れずカモの道かな

やい見るな腐れる自模の寂しさに　糞鳴きおのれ今捨てたがな

風を二鳴き今打つ上家さあ北のみ　曲がってる牌もう降り頃かな

二鳴き無理字牌出す時「おお恐え」　君は押さえつつダマで張ったな

首位固め惜しくもなかった千点棒　ダマで張るかと思惑ばれたか

勝つために親は二鳴きの三色で　そうとは知らず焦る思いを

あがれればトップ者とは知りながら　なお恨めしき安め自模かな

嘆きつつ一人凹みの繰々る日は　いかに空しきことだとは知る

忘れんとオーラスまでは知りながら　これを限りの焼鳥解除

立直の声は絶えて久しくなったけど　なお押し進めなお振り込んで

あり得ないこの牌の他に切る奴は　行け勝負して振り込んだほら

めくり合いて見たら全てが当たりかも　来いやと念じて流局ておい

あらまあと自模のみ三本五本あがったら　立直した人視線が痛過ぎ

安い手で親リー追い掛け即振って　傾きそうなハコを見ろ馬鹿

多い山対面の山が短ければ　さあ振りなさい自九でチョンボ

生け贄とならば皆組みやっつけろ　今日ここまでに２００いくかも

夜を超えて空の茜がまた来れば　遂に二晩で抜けは許さじ

今はただ焼鳥の解除とばかりを　一役なんて許しませんよ

頭だけ配牌息も絶え絶えに　哀れ九種もないのは悲劇

裏にあり他の手牌にもあるものを　来いと行っても既に空聴

鬼自模に哀れと思え起親よ　それより他にすることもなし

徹の夜の夢ばかり見る自模るたび　甲斐なくあかん全然あがれん

心にもあら嬉しやと鳴くならば　立直されてて単騎の待ちかな

嵐呼ぶ三コロの勝ちの次の場はたったの一瞬ダブ箱なりけり

寂しさにハコをひっくり返して眺めれば一本もない「一万点借り」

言い出し人貧乏神が訪れて　何時の間にやら秋風が吹く

音に聞く開始の前の渾名では　勝てるかどうか負けもこそすれ

断公の裏乗り跳満和了りけり　トップは霞み二着も難し

考える人に早うせいの大合唱　立直をせえとは言ってないです

鳴き散らかしさせじと強く立直にて　哀れ今度の鳴きも振り込み

只の馬鹿勝負出てみれば久方の　対々に紛う鳴きつシロのみ

ツボ嵌り皆に急かさる断公の　鳴けても末にあかんとぞ思う

哀れ様早打ち時の鳴く声に　行くよそれドラ済まぬ先自模

荒稼ぎ正しく自模の高め寄り　漏れ捨てるドラの影の清一

流してる心も知らずリーのみの　流れて「払え」「てめぇこそ払え」

ほとんどを鳴きつ四方を眺めれば　ただ一つだけ希望が残る

払い過ぎなんとか命はあるものの　リー棒出せぬは涙涙に

世の中よ井戸から出でて思い知る　常の面子にも自信なくなる

よく見れば又このゴロツキは　ばればれの通ししよるぞ今は一色

夜も更けて腹減る頃は明け方の　電話の暇さえ作れなかった

流す時錐や刃物を思わせる　疾風迅雷我が鳴断かな

裏さえもツキもまだ来ぬオーラスに　生牌残るあかんもう駄目

オーラスの差しの早手の七対ゆえ　手を尽くしたら来いわかるかい？

馬鹿ヅキを耐えねば耐えて長かった　密かに国士弱目崇目

見せ場やな面前清一それにしても　全員染めし色はわからず

三元牌鳴くは深夜の初心者の　頃は悲しき一人カモネギ

だがそれは和了に見えぬ大きな手が　今こそ払え満貫罰符

世の中は常に足掻いて藁掴む　あまりの不条理自模で悲しき

切り札の新渡戸稲造さようなら　懐寒く柏手打つなり

両面鳴く浮き牌の為に匂うかな　我が出すドラに穴埋めの「それ」

当たらなそう国士の匂いの一向聴？　振り込むものは我が身なりけり

来ぬ牌は王牌の裏に隠れ居り　役牌のみの身も焦がれつつ

頬緩む全帯と平和の低目なら　見逃したるぞしかし和了れん

もう一押ししかも裏目し呆気無く　ノー聴流局四暗刻は？

もう歳や古きの牙のへし折れり　なお有り余る昔の自慢

　これは手前が大学時代に戯れに作った百人一首のパロディです。触媒は当然の如く筒井康隆の「カラダ記念日」でした。このページの「コクシ記念日」、ワープロからここに書き写しているとき、あまりの稚拙さに顔面蒼白になりました。まず、本歌に音韻を忠実になぞるあまり意味不明になっていること。ローカルルール全開なこと。字余り過ぎなこと。百人一首の方でも字余りはたくさんありますが、だからこそこちらは字余りをなくしたい。また、片仮名の多用も苛立たしい。今後隙を見てちょこちょこ直していくつもりです。

　麻雀は大学時代鼻血の出る程やりました。卒業してからはピタリと止めました。にも関わらず最近疼いております。あれほどさっぱり止めた筈なのに。今回このサイトを作るにあたってコンテンツの充実を図るため、今まで書き散らしたものをここに纏めようと考え、仕方なく麻雀のコーナーを置くことになり、休眠していたこの百首、ここにＵpしました。

　麻雀に関していくつかの文章が書き溜めてありますので、機会を見つけ次第Ｕpしていきます。いずれ麻雀関連だけで一つのファイルに収まることでしょう。

おまけ

寝たら起こせよ自模る時　和了成し遂げ裏ドラ忘れた　　　（実話）

振聴立直で半分死んだつもり　振聴立直は流局チョンボのルールだったので自模った瞬間嬉しさのあまり裏を忘れてしまいました

立直即断平三色一盃口　ドラドラドラドラ親のトリプル　　　（実話）

でハコりましたが。親が回ってきませんでしたが。

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